誰かの役に立ちたいと思ったら、何から始めたらいいのでしょうか?
自分がお役に立ちたいと思う、たった1人のお客さまのために、自分が良いと思うものを伝えることから始めればいいのです。
たったひとつでいいのです。いいえ、たったひとつに絞ってください。
たったひとつ、伝えたいメッセージ。あなたは何を伝えますか?
チャレンジし続ける登山家・栗城史多さんからのメッセージ
昨日、参加させていただいた
親の関わりが子どもを伸ばす! ~折れない挑戦心を育む3つのメソッド~
「3名のプロフェッショナルによる講演会」
素晴らしい講演会でした。
登壇された3名の講師の中のひとり、登山家の栗城史多さんのお話を少しシェアします。
なぜ、チャレンジし続けるのか? 人によく聞かれます。
チャレンジする理由はただひとつ。楽しいからです。
チャレンジの過程では、辛いことも沢山あります。僕がやっているエベレストへの登山なんて「寒い」以外に言葉がありません。苦しいです。
それでもチャレンジするのは、自分の夢を叶える、目標を達成する瞬間の気持ちを味わいたいのと、どんなチャレンジでも、人にエネルギーを与えることができるからです。
僕が初めての海外登山(しかも初海外旅行)でマッキンリー単独登頂をめざした時、全員から反対されました。
あまりに反対されたので、僕はこのチャレンジをなかなか父に言うことができませんでした。
出発一ヶ月前になって、やっと父に言うことができたのですが、その時父は何も言いませんでした。
いよいよ出発するという時、千歳空港にいた僕に父から電話がかかってきました。
「怒られるのかな」「行くのやめろと言われるのかな」と思いながら電話に出た僕に、父は一言、こう言いました。
「お前を信じているよ」
この言葉のおかげで、僕はマッキンリー登頂を成功させることができました。
他の誰に反対されても、父だけは僕を信じてくれている。
それだけでがんばれるのです。
夢を否定してはいけません。
どんな人のどんな夢も否定してはいけません。
栗城さんとお父さんとの関わりあい、素晴らしいですね。
40分ほどの講演時間、「見えない山を登っている全ての人達へ」、栗城さんが伝え続けたのは
夢を否定してはいけません。
たった一言。このことだけです。
今回の講演会、親子向けのものでしたので、特に子どもを持つ親御さんに向けてのメッセージでしたが、「夢を否定してはいけません」は、親子関係にかかわらず、全ての人間関係について言える言葉ですよね。
伝えたいことは「ひとつ」に絞る
言いたいことを全部言いすぎると、残念ながら、かえって伝わらないものです。
伝えたいことを「ひとつ」に絞り込んで、いろいろないい方で伝えてくれれば、それで十分伝わるのです。
何かを伝えようとするのに、そこまでのいきさつを時系列で全部言わないと伝わらないと思ってしまう人も多いと思うますが、そうではないんですね。
例えば、営利目的ではない「報告会」「勉強会」、学術的な「講義」「講演」というのは、概しておもしろくないことが多いですよね。
おもしろくない話というのは、話の中身よりも、人に「聞かせる」、そして「わかってもらう」ための「伝える」「伝わる」工夫が不足していることが多いです。
どんなにいい話でも、伝わらなければ意味がありません。
話の中身を絞り込んで、「何を伝えるのか」に徹して、内容を吟味すること。
いかに「絞るか」が、カギですね。
お客さまのために、何を伝えるか?
お客さまにとって良いと思うこと、
お客さまにとって必要だと思うことを伝える。
文章で書いてしまえば、これだけのことですが、これができるということは、お金になります。
これこそが、セールスだからです。
お客さまにとって良いこと、お客さまにとって必要だと思うことは、何も自分の商品やサービスでなくてもいいんですね。
例えば、信頼できる人から聞いたり、自分の目で見て試して間違いないと実感した商品、これらの「情報」をお客さまに伝えるというのは、立派な営業でありセールスです。これができるというのは。立派なスキルです。
あなたがビジネスをするにあたっては、もちろん自分の商品があった方がいいですが、それを決めるは「後でもいい」のです。
まずは、あなたの想いを伝えることです。
そのための手段のひとつが、あなたが自信を持ってお客さまにとって役に立つと思える「情報」を伝えることです。
まず、これから始めましょう。
まずは、お客さまのニーズをじっくり研究してください。
自分の回りにいる人との交流を通して、自分に何が期待されているのか、つかんでください。
そして、自分がお役に立ちたいと思う、たった1人のお客さまのために、まずは、たったひとつ、自分が大切だと思うものを伝えることから始めてみてください。
お客さまの本当に必要としていることを「たったひとつ」伝えることができたら、あなたはきっと感謝されることでしょう。
そこからすべてが始まります。