スタートアップ期の起業家は、マーケットシェアを獲得できていません。それは、ひとえに認知度不足に起因します。
もし、市場成長率が高いと見込めるビジネスであっても、スタート直後のマーケットシェアは低いものです。
高い市場成長率を活かして、このゾーンで成功するには、まずマーケットシェアの獲得が必要です。
そのためには、まずは絞り込んだマーケットに向けて徹底的に露出して、ファンを獲得する必要があるのです。
PPMの考え方をわかりやすくご説明します。
ブログ記事
お客さまの絞り込み法、新しい切り口をご提案します。
の続きです。
市場成長率とマーケットシェアの二軸から、経営戦略を考える、プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(略称PPM)という方法があります。
PPMの考え方を応用すると、市場全体に対して、自分のビジネスがどのポジションにあるのかを客観的に評価して、最も成果の上がる戦略を立てることができます。
ビジネスのスタートアップ期において、狙うべきは「問題児」ゾーンです。「問題児」ゾーンにあるビジネスとは、市場成長率大&マーケットシェア小のビジネスです。
問題児ゾーンのビジネスが花形ゾーンに移行するためには、マーケットシェアの拡大が必要です。そのためには、まず小さいマーケットで徹底的にシェアを獲得するべく行動することです。
では具体的にどのように考えればいいのか? わたしの得意なジャンルのお話でご説明します。(^^)
そのジャンルとは? ご存知、ジャニーズ事務所です。
まず、ジャニーズ事務所の所属グループをPPMに分類してみます。
SMAP&TOKIOは、金のなる木
ジャニーズ事務所に所属しているグループで、このゾーンに属するのは、文句無しにSMAPとTOKIOです。
「SMAP×SMAP」に代表されるエンターテイメント性のある企画を得意とするSMAP、「鉄腕DASH」に代表される体当たりロケ企画等の体力系バラエティを得意とするTOKIO、
両グループとも、グループとしての個性が十分に認知されている上、個人のキャラも十分認知されているので、認知度を上げるための活動は、ほぼ不要です。
グループに合った企画をこなしていくことで、十分に会社に利益をもたらすことができます。ちなみに、個人活動が充実しており、グループとしての活動が増えているV6もここのゾーンに入りますね。
自分たちのポジションを確立している彼らには、自グループだけでなく、会社全体の競争力を保つことが求められています。後輩グループを育てたり、他社の類似グループ(EXILE等)がこのゾーンに入ってこないように、盾となることが求められているのです。
花形の嵐
このゾーンに属するのは、間違いなく嵐です。加えて関ジャニ∞が入りつつあります。二枚看板になったと言ってもいいでしょう。
彼らは、グループに勢いがあります。たくさんのテレビレギュラー番組を持っているため、日常の露出がそもそも多いのに加えて、コンサートや楽曲リリースで、新しいチャレンジを続けて新しい魅力を発揮することができれば、さらなるパワーアップが期待されます。
個人としての活動は、まだSMAPやTOKIOの域には達していないのですが、今後、グループとしての活動領域を広げたり、個人活動が増えることによって、さらなるファン層の獲得も期待できます。
NEWS、 KAT-TUNは、メンバー減員等の事情があり、現状、グループとしての個性が十分発揮できているとは言えない状態ですが、ライブではドーム公演を成功させているので、基本のファン集客力はしっかりあります。
今後、個々の活動を増やしたり、グループの個性を発揮できる楽曲やコンサートをしていくことで、一般層への認知を高めて、花形に移行することは十分可能です。
他社の「問題児(韓流アイドル等)」が大挙して押し寄せてきた時に対抗できるように、彼らがしっかりと活躍状態をキープすることが求められています。
問題児ゾーンにひしめくデビュー組
このゾーンには、Kis-My-Ft2、Hey!Say!JUMP、Sexy Zone、A.B.C-Z、ジャニーズWEST等、最近のデビュー組がここに含まれます。
彼らは、ファン層がジュニア時代からの固定ファンと、デビュー後の新規ファンの二層に限られており、先輩グループのように、幅広いファン層を獲得できているとは言えない状態です。
それは、まだ彼らの活動分野が限られており露出が少ないことが大きな理由です。露出を増やして、多くの人の目に触れる機会を増やすことによって、まずは、認知してもらうための活動が必要です。
そのためには、どこ(客層)を狙ってどうやって攻めるのか、戦略立てた活動が必要です。グループとして何を売りにしてどのように見せていくのか、作戦を絞って、徹底的に活動することで、風穴をあけることができるはずです。
さて、負け犬グループは?
このゾーンには、近藤真彦、少年隊といった、いわゆる大御所や、テレビでの露出が少ないKinKi Kidsやタッキー&翼が含まれます。
すでに個人のキャラ立ちは十分できている上、固定ファンも付いているので、今からグループパワーの発揮を狙って新しいことにチャレンジすることよりも、ファンの期待にとことん応えることを狙って個人活動を優先させたほうが結果的にファンを長くつなぎとめることができるでしょう。
グループ毎のファンの方にとっては、納得しがたい分析もおありかと思いますが、あくまでも「グループとしての活動」を「事務所の戦略」視点で捉えましたので、ご了承ください。(メンバーの個人活動については考慮しておりません。)
以上、PPMのポートフォリオに沿って、ジャニーズグループを分析してみました。
次回更新では、この結果をスタートアップ期の起業家に置き換えて、どのように考えればいいかをお伝えします。