どんなに「品質にこだわった良いもの」を提供しても、それがお客さまに受け入れられないものであれば、売れません。
売れないものは、お客さまに必要とされていないということです。
お客さまに必要とされないものを提供しても、意味がないのです。ただ、お客さまは自分にとって必要なものがわかっているかと言えば、必ずしもそうではありません。
ここに、新しいビジネスチャンスがあります。
お客さまの価値観は、変わります。
ブログ記事
売れないのは、商品が悪いのではありません!
の続きです。
あなたは、ターゲティングについて、どのようにお考えですか?
あなたのビジネスが助けることができるお客さまは、どんな人ですか?
あなたが理想像として頭の中でイメージしたお客さま像と現実のお客さま、おそらく異なっているでしょう。でも、あなたは先にお客さま像をイメージしておくことによって、現実との違いを知ることができるのです。
もし、最近、お客さまの反応が変わってきた、思うようにお客さまが取れなくなってきたということがあるのであれば、あなたのビジネスが悪いのではなく、お客さまのニーズが変わってきているのかもしれません。
時代の流れは止められません。変わっていくお客さまを止めることはできないのです。
大きな会社になればなるほど、お客さまの変化に気づかないことが多いのです。大きくなりすぎた事業が市場動向に合っていないことに気づいた時には手遅れになってしまうことがあるのです。
そんなことにならないように、あなたがイメージしているたった一人のお客さま像、常に見直し続けてください。
お客さまを絞り込む、本当の意味
例えば、今の日本で言うと、少子高齢化が進んでいますね。
なので、若い人の旺盛な消費意欲に支えられてきた業界は、同じ客層を相手にしている限り、市場はどんどん狭くなっていきます。大きな転換期を迎えているのです。
食品業界、特にお菓子業界で、最近気になる「大人の◯◯」という商品ラインナップは、まさしく「お菓子=子ども向け」だった業界が新たに「大人向け」の市場を開拓している結果ですよね。
あなたのビジネスが想定しているお客さまは、どんな人ですか? たった一人絞り込んだそのお客さまの向こう側に、同じ悩みを抱えたたくさんのお客さまはいらっしゃいますか?
お客さまを絞り込むというのは、物理的に狭い市場で勝負しなければいけないと言う意味ではありません。
お客さまを絞り込むことで、悩みを掘り下げて、ピンポイントな悩みの本質にフォーカスを当てることが目的です。
同じ悩みを抱えている人であれば、年齢も性別も関係なく、あなたのお客さまになりうるのです。
お客さまの欲しい気持ちの源泉は?
2年前、わたしが会社を辞めようと思った理由はいくつもあるのですが、わたしの属していたファッション業界は「今の日本では、これから伸びることはないのかも」と悟ってしまったからというのが大きな理由の一つです。
なぜかというと、ちょうどその頃、H&M、Forever21、Banana Republic、Abercrombie & Fitchといった欧米系のブランドが次々日本に上陸してきたのです。
原宿、銀座、渋谷。あっという間に行列ができる店が次々誕生しました。
新しい店ができるたびに見に行きました。行列に並び、もみくちゃになりながら見て回りました。
並んでいる商品を見て、正直「確かに安いけど、こんな品質でいいの?」「こういうのが日本で受けるのかな?」と半信半疑でした。
ファッションの黒船ブランドは、テレビや雑誌で話題となり、次々と出店していきました。あっという間に、市場は欧米系ブランドが席巻していきました。
それだけ「売れた」つまり「良いと思ったお客さまが買った」ということです。
お客さまは正直です。
売り手の論理で考える「良さ」は、お客さまの感じる「良さ」とは全く違うのです。
どんなに「品質にこだわった良いもの」を提供しても、それがお客さまに受け入れられないものであれば、売れません。売れないものは、お客さまに必要とされていないということです。お客さまに必要とされないものを提供しても、意味がないのです。
お客さまは「欲しい」ものをお金を出して買うものです。お客さまにお金を払ってもいいと思ってもらうには、お客さまが「欲しい」ものを提供しなければならないのです。
「お客さまが「欲しい」「買いたい」と思う決め手は、自分たちが大切だと思ってきた常識とは違うところにあるのかもしれないな……。」
そんな風に思った時、わたしは、自分の会社が様々提供してきたものが必要とされなくなる時代が来るのではないかと思ってしまったのです。
もう、モノの良さがお客さまに選ばれる基準の時代ではありません。
なぜ、そのモノを買いたいのか? お客さまのこだわりや買いたくなる理由が大切な時代になったということを、骨身で感じました。
次回に続きます。