長く続ける。
それだけで賞賛に値しますが、デメリットもあります。お客さまも一緒に年をとるのです。
コアなお客さまも大切にしつつ、新しいお客さまも開拓する必要がありますよね。その場合、新しいお客さまに向けてメッセージを出し直す必要があります。
コンセプトは変わらないとしても、お客さまが変われば刺さる要素も変わるからです。
ドリカムジャケ写の遊び心は、誰のため?
7月7日に、DREAMS COME TRUEがライブDVD&Blu-ray『25th Anniversary DREAMS COME TRUE CONCERT TOUR 2014 -ATTACK25-』リリースするのですが、そのジャケ写がちょっと話題になっているコト、ご存知ですか?
こちらのジャケ写、写っているのは、当然メンバーの中村正人さんかと思いきや……。中村正人さんとクリソツと噂のダチョウ倶楽部肥後克広さんなんですね。
ドリカムジャケ写はダチョウ肥後だった 中村正人と“ヤーSHOT”も披露
おもしろくないですか、コレ! いや〜、笑いました。
……と、わたしは単純に面白がったのですが、果たして生粋のドリカムファンの皆さんはどうなんでしょうね?
なんで、ジャケ写がボーカルの吉田美和さんじゃないの?
百歩譲って、中村正人さんだったらまだわかるけど、いくら似ているとはいえ、なんでダチョウ倶楽部の肥後さんなの?
関係ないじゃん!?
ちょっと怒ったり、しませんかね?
自分の場合に置き換えて考えてみました。
もし、A.B.C-Zのアルバムのジャケ写で、塚ちゃんの代わりにクリス松村さんが写ってたら……。わたし、ちょっとイラッとします。(多分) ファンって、そんなもんじゃないですかね〜?
ファン層拡大のために必要なこと
ところで、わたしは知らなかったのですが、中村正人さんと肥後克広さんが「似てる」というのは、ファンの間では周知の事実だったそうですね。昨年のツアーでは、肥後克広さんがサプライズ出演したこともあったとか。
ということは「中村さんと肥後さんが激似」というこのネタ、ライブに足を運んでいるお客さんに周知の事実となっていて、ドリカムメンバーもお客さんも喜んでいるからこそ、この仕掛けが「楽しい」ものになっているんですね。
ドリカムもデビュー25周年だそうです。二人ともすでに50代。つまり、ドリカムのコアなファン層は、40〜50代が中心になっているんですね。でも、もうドリカムの描く恋愛の世界に一喜一憂する時代はとうに過ぎてしまっています。
これからドリカムがセールスを伸ばしていこうと考えるなら、新しいファン層をつかむ必要があります。そのために必要なのは、リアルドリカム世代ではない若い層を引きつける「仕掛け」です。
今回のジャケ写は、
「旧知のファンを喜ばせる」+「話題性からリアルドリカム世代ではない人に知ってもらう機会を作る」
まさしくそのためにやったものではないでしょうか。
受け手に合わせて伝え方を変える
お客さまに伝えたいコンセプトは変わらないとしても、お客さまが変われば刺さる要素も変わります。
新しく設定し直したお客さまに対して、刺さるようにメッセージを送り直す必要があります。
ドリカムだって、彼らと一緒に年をとってきた同世代のコアファンに伝える時と、新しくファン層として開拓していきたい若い層に伝える時とでは、メッセージの送り方を変える必要があるのですね。
中村正人さんと肥後克広さんがの「似てる」ネタ、今だからこそオープンに披露して、拍手喝采を浴びることができるのではないでしょうか。お互いのファン層が注目しあうことによる相乗効果も期待できますし。
もし、ドリカム全盛期にこのネタを出していたら、どうなっていたでしょうか? おそらく、ファンはドン引きするだけですよね。ダチョウ倶楽部へのバッシングも起こったことでしょう。
ネタ的にも、タイミング的にも、今がベストなのではと思います。
ドリカムのチャレンジ、応援します!
リアルドリアム世代のわたしですが、実は、それほど彼らに「ハマった」ことはないんです。
「ドリカム=恋愛ソング」のステレオイメージがどうしてもあったのですが、今回の仕掛けで一気に気になってしまいました。
ライトなファン層をつかむという目的は、確実に達成されますよ! あとは、どれだけコアなファンに育てていくか、ですよね。
なんか、ワクワクします。