今は、ブランディングが大切な時代だと言われています。
商品力よりもブランド力。企業が生き残るかどうかも、ブランド力にかかっていると言えそうですね。
どうすればブランディングできるのでしょうか?
ブランドは一日にして成らず。
こればっかりは、特効薬はありません。ブランディングに向けての行動を毎日続けて時間をかけることで、徐々に醸成されていくものです。
まさか、スタバが最下位なんて!?
STARBUCKS COFFEE is everywhere [Yuyuan Shopping Center / Shanghai] by d'n'c
憧れのライフスタイルはノマドライフ、趣味のひとつがカフェの開拓というわたし、ちょっと気になるニュースを見つけました。
スタバ、味の目隠し調査で最下位…最大の敵はコメダ、米国本社の管理強まる?
あのスタバが最下位とは、どんなランキングなんだろう??
気になって記事を読み進めてみますと、山田修さんという経営コンサルタントの方が、現在のスタバが抱えている問題点と今後の戦略と見通しを述べている文章でした。
最下位というのは、アメリカで行われたコーヒーの味に関する覆面調査の結果、6つのコーヒーチェーンの中で味の評価が最下位だったということのようです。
スタバも日本での展開が始まって来年で20年。すっかり日本に定着しました。今年、未出店だった鳥取県についに出店し、ついに47都道府県制覇を成し遂げました。
スタバの店舗数は1000店を超え、あの「シアトル風コーヒー」に初めて出会った頃の物珍しさは、もうありません。
今、首都圏で注目されているのは、ミルクコーヒーとシロノワールが看板商品、名古屋発祥のコメダ珈琲店だとか。10年以上前、名古屋で働いていてコメダにもよく行っていたわたしには、今更珍しくもなんともないのですが、これが新鮮だと言われると、なんか変な気分です。
築き上げたはずのブランドも、時代の流れによって評価が変わるのですね。
今やコーヒーチェーンのトップに上り詰めたスタバも、これからトップになったが故の揺り戻しがくるのかもしれません。
お客さまは、何に魅力を感じるのか?
ブランディングがこれほど騒がれるようになった今、お客さまは、「何を買うか」ではなく「誰から(どの店で)買うか」を重要視しているといいます。
例えば、同じモノを買うのであれば、「自分が好きな店で買いたい」というのは普通のことですが、
一歩進んで「あの店の店長の雰囲気が好きだから」とか「オーナーの考え方に共感したから」といった理由で買う店を選ぶ時代になったのです。
ファーストフード界のガリバーだったマクドナルドの凋落は、人々がマクドナルドブランドに魅力を感じなくなったからではありませんか?
ハワイ発のパンケーキ店やアメリカのポップコーン店や、サードプレイスと言われるコーヒー店に人気があるのは、それらの店の味だけではなく、醸し出すブランドパワーに魅力があるからではありませんか?
なぜ、変わった外観や内装のスタバがあるのか?
ブランディングを間違えてしまうと、どんなに有名店や人気店でもあっという間にお客さまが離れてしまいますし、一度ブランディングに成功すれば、有名になれるのです。
ブランディングには底知れぬパワーがあります。
アメリカで味の最下位評価を受けてしまったスタバですが、手をこまねいているわけではないようです。
自分の居場所のように感じてもらえれば、
そこはお客様にとって、くつろぎの空間になります。
ゆったりと、時にはスピーディーに、
思い思いの時間を楽しんでもらいましょう。
人とのふれあいを通じて。
というミッションのもと、スタバは、ただコーヒーを提供しているのではなく、サードプレイス(自宅、職場に続く第三の場所という意味)として、お客さまが自由に過ごすことができる空間を提供しているという考え方で店舗展開をしています。
この考え方に基づいて、最近増えているのが変わり種スタバとも言える、変わった外観&内装のスタバではないでしょうか。
普段は、ターミナル駅のスタバで慌ただしくテイクアウトしていても、仕事帰りや休日にはお気に入りのスタバでゆったりくつろぐ。
こんな楽しみ方もできるようになりました。
また、スタバブランドのコンビニ用商品の開発も行っています。近所にスタバがないという地域や、しょっちゅうスタバに行けないという学生や主婦の方が手軽にスタバの味を楽しめるという点で、顧客の裾野が広がりますね。
トップのスタバだからこそ、ミッションから生まれる世界観を商品や店舗で表現し続けることが必要なのですね。
そして、その世界観に魅了されたお客さまが、今日も足を運ぶのでしょう。
焦らず、諦めず、続けることで……。
ブランドは一日にして成らず。
ブランドとは、ブランディングに向けての行動を毎日続けて時間をかけることで、徐々に醸成されていくものです。
途中で諦めたり、焦ったりすることなく、自分の信じた道を進み続けることで、共感してくれる人が必ず現れてくるものです。
売上という短期的な目的のために、築き上げたブランドが危うくなっているマクドナルドのようにならないように、常にめざすゴールイメージは高く持っていたいものです。