「100円のコーラを1000円で売る方法」の著者永井孝尚氏は、
新作『戦略は「1杯のコーヒー」から学べ!』で、
「コーヒー業界をめぐり各社が打ち出す商品、ビジネスモデルは、最新ビジネス戦略を学ぶ好材料」と
コンビニ各社のコーヒーを題材に取って、ビジネス上の戦略の違いをわかりやすく解説しています。
まずは、マーケティング的に重要な2つの戦略の違いについてお伝えしますので、
おつき合いください。
弱者が強者に勝とうとする場合の戦略の基本は、競争相手との差別化です。
それに対して、強者が弱者からの挑戦を退けようとする場合の戦略の基本は、
総合力で相手を封じ込めることです。
わかりやすい例として、「強者」としてよく知られている企業は、
セブンイレブン、マクドナルド、パナソニック、資生堂等がありますね。
現在、業界のトップ企業であるこれらの会社は、
2位以下の企業に対する戦略として、徹底的にこの「強者の論理」を使っています。
トップ企業は、特定の商品やサービスに偏ることなく、
常に「総合力」の勝負をしています。
それに対して、 トップ企業を追う立場にある企業は、
「弱者の論理」として、「特徴的な商品・サービス」を
「自社のウリ」にしています。
勝つためには、自分(自社)のポジションがどこにあるのか、
意識した上で、徹底的に強みを活かした戦略をとることが大切なんですね。
マクドナルド VS モスバーガー
セブンイレブン VS ローソン
パナソニック VS ソニー
資生堂 VS マックスファクター
自分が弱者であると認識したら、
強者がやりがちなマス向けの同質化された商品では満足できない、
イノベーターやアーリーアダプターと言われる層に対象顧客を絞り込んで、
商品の魅力を極限まで高めて、熱狂的なファンを作って、
リピート購入や指名購入を狙うのです。
独自のカード戦略等によって、顧客の囲い込みを続けてきたローソンは、
間違いなく、この弱者の論理による差別化戦略を取ってきたはずなのです。
ここにきて戦略を変更したことの意味は、これから明らかになるのでしょうが、
注目していきたいですね。
ちなみに、この「強者の戦略と弱者の戦略」について、違う事例でもご紹介しています。
気になる方は、コチラをどうぞ。
ちなみにイノベーター理論とはこんな風に説明できます。
新商品が発売されたら、全ての人が一気に買うわけではありません。
発売されてからの時期によって、上記のように購買客層が変わっていきます。
「いち早く手に入れたい」とすぐに飛びつく層がイノベーター
「新しいから」と次に飛びつくのがアーリーアダプター
「流行っているから」と買うのがアーリーマジョリティ
「みんなが持っているから」と買うのがレイトマジョリティー
このように、新商品が売れていって、他の商品が駆逐されてしまった結果、
「それしか買うものがないから」と買うのがレガシーです。
イノベーターやアーリーアダプターとは、iPhoneが新発売になると聞いて、
予約をしたり、当日AppleStoreに並んで買うような方々です。
そして、イノベーターやアーリーアダプターは、
一度ファンになってくれたら、
その商品の良さを彼らの口で語ってくれるスピーカー、
いわゆる、口コミ(バイラル)戦略の担い手になってくれます。
この層を狙わない手はないですね!
ちなみに、市場が成熟化すればするほど、市場は二極化傾向になります。
低価格化に対して、付加価値をつけた高価格化も同時に起こるのです。
その最もわかりやすい例は、あのスターバックスコーヒーでの10,000円のコーヒーです。
一部店舗だけでの販売ではありますが、
このようなコーヒーに需要があるということを証明してみせたワケです。
(詳しくはコチラ)
あと、わたしが気になっている業界としては、
スポーツクラブや学習塾があります。
お客さまとの接触頻度にもよりますが、
最終的には1対1のマンツーマン接客がどこかで発生する業界であれば、
いずれはこのような二極化になっていくのではないでしょうか。