インターネットを活用して見込み顧客を掘り起こしたいと考える場合、無料戦略は実に効果的に活用できます。
ブログやSNSを活用して、キャラ立ちしてセルフプロモーションを仕掛けるのが有効なひとりビジネスにこそ、取り入れるべき戦略と言えますね。
ブログ記事
無料で読める「花より男子」新作、どうやって収益化するの?
無料プロモーション収益化のカギ、「条件付き」
の続きです。
「花より男子全37巻無料キャンペーン」がどのように顧客の掘り起こしにつながって、なおかつ、収益化につなげることができると言えるのか?
このキャンペーンの仕掛けは、おそらくこうなっていると思います。
【読者として想定されている人】
「花より男子、昔読んだな〜」とか「ドラマは見てたけど、マンガ読んだことないな」という人。
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【予測される行動】
「無料だったら」と読む。
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【キャンペーン後に期待したい行動】
「全巻をダウンロードして読むのは時間的に難しいし、面倒」とか「途中、忘れて読み損ねてしまった。どうしても読みたい」という人が、マンガを購入して読む。
どうですか? 見事な顧客動線です。
無料キャンペーンで「タダ読み」する人の中には、このような流れで「買う」人もいると思えませんか?
かつての花男読者やドラマの視聴者であれば、おそらく自分で稼いでいる大人が多いでしょうから、全巻オトナ買いという行動をとることも大いに考えられます。
何よりも、すでにシリーズ累計6100万冊を売り上げている花より男子、欲しい人は全員買ってるんじゃないの?と思いたくもなりますが、この方法であれば、無理なく新しい読者を獲得でき、なおかつ、かつての読者を呼び戻すことができます。
そして、ここまでぶっ飛んだキャンペーンだからこそ、ネットニュースにもなるわけで、結果的にわたしのような人間のアンテナにひっかかるわけですね。(ちなみに、わたしも1巻読みました。)
無料戦略は、収益化に向けて、なぜ効果的なのか?
まとめておきます。
その1
無料戦略は、
買う側のメリット = どんなものかわかった上で買える。
売る側のメリット = お客さまにどんなものか納得した上で買ってもらえる。
という、「買う前と買った後の満足度に差が出ない」というメリットがあります。
無料で手に入って満足というお客さまにとってのメリットもさることながら、売る側のメリットも大きいのです。
なぜなら、「お客さまに納得していただく」ということは、それほど難しいことだからです。
すでに世の中にある一般的な無料戦略と言えば、デパ地下やスーパーの試食、化粧品の試供品、書店の立ち読み、CDの視聴、モニター。「無料で試して、気に入ったら買う。」考えてみれば、当たり前の戦略なのです。
その2
無料戦略は、
キャンペーン的に仕掛けることで、今までその商品やサービスを知らなかった人に知ってもらう効果が高いです。
つまり、潜在的な見込み顧客を集めるのに有効な手段なのです。
例えば、通販は実際の商品を手に取ることなく買うかどうかを判断しなければなりませんが、「無料お試し」とうたわれていれば、「ダメだったら返せばいいか」という気持ちで気軽に注文できます。
また、「無料」というあおり文句がそのまま話題に上ることも多く、ネットニュースのネタにでもなれば、さらなる情報の拡散が見込めます。(「花より男子12年ぶりの新作〜」はこのパターンですね。)
話題性、拡散性を求めるのであれば、効果的な戦略と言えます。
その3
仕組みさえ整えておけば、
インターネットの世界でこそ「無料戦略」は有効です。
コストをかけずに、新規顧客を集めることができるからです。
リアルの世界の「無料」は、お試し商品をそれなりに用意しなければなりません。例えば、試食も人気が出ればそれなりに試食用の商品が必要ですし、書店では試し読み用の雑誌を販売用とは別で用意していることが多いです。
しかし、インターネットの世界では、お試しは無料だけでなく、データだけでいいので、1つあれば十分。せいぜい、ダウンロードが殺到した時に備えてサーバーを強化しておくくらいで済みます。(これはこれで、費用も手間もかかるのでしょうが)
花より男子の12年ぶりの新作、これはアプリで無料で読めるので、これだけでは収益になりません。しかし、コミックス(単行本)が発売されれば、必ず買う人がいるはずです。その時点で収益化できます。また、全巻無料キャンペーンでも、結果的にコミックスを買う人が見込めますので、ここでも収益化できます。
マンガ業界では、雑誌はフロントエンド、コミックスがバックエンドと言えますね。 そして、花男ほどの人気作品であれば、先々、メディアミックス(テレビドラマ化、映画化、等)も大いに見込めますので、ここからも収益化が見込めます。
それもこれも、とっかかりとしての「無料」があってこそ、成り立つのです。
このように、無料戦略は、
見込み顧客の開拓というポイントにおいて、特にインターネットの世界で実に効果的に活用できるのです。
ブログやSNSを活用して、キャラ立ちしてセルフプロモーションを仕掛けるのが有効なひとりビジネスにこそ、取り入れるべき戦略なんですね。
あなたも、何か「無料」で提供して、潜在的なお客さまを掘り起こしてみませんか?