「ターゲティングをやったことがない、やり方がわからない」という方にとって「お客さまの抱えている問題を絞り込む」というのは、とても難しいことです。
ですから、お客さまの問題を絞り込むためのファーストステップとして「たった一人のお客さま像を明確に決める」という作業が必要になってくるのです。
ブログ記事「長寿企画・24時間テレビが抱える「ある課題」を考える」の続きです。
今年が38年目となる24時間テレビ、今までに様々な問題が起こり、その都度解決してきたことでしょう。
しかし、なかなか解決できない問題もあります。
人気があって長寿企画であるが故に……。
24時間テレビが抱えている問題、そのひとつが、長寿企画であるからこそ起こってしまう「視聴者が番組と一緒に年をとる」というものです。
しかし、ちょっと考えてみてください。
実は、24時間テレビは、年齢という切り口で視聴者をターゲティングしているのではありません。
24時間テレビのサブタイトルは「愛は地球を救う」です。「福祉・環境保護・災害復興の支援」を目的に、様々な企画を放送しながらチャリティーキャンペーン活動を行うというのが大枠のコンセプトです。
このように、明確な番組コンセプトを打ち出し、それに共感して「チャリティ活動に参加して、誰かの役に立ちたい」「ハンディがあってもがんばっている人を応援したい」と参加してくれる視聴者をターゲットとすることで、番組が成り立っているのです。
これなら、年齢は関係なく、同じ想いを持つ人を同時にターゲットにすることができます。そして、今年は「二世代パーソナリティ」と打ち出すことで、世代を超えて想いを伝えていくという行動で、番組の想いをつないでいくことをめざしているのでしょう。
今後は、いかに「世代を超えた同じ想いを持つ視聴者が一緒に参加したくなる」企画を出すことができるかが、カギになりますね。
24時間テレビの場合、番組を見て行動してほしい視聴者層のイメージはとても具体的にできていると思われます。
そして、この番組のターゲットとなる視聴者層は、コンセプトに共感してくれる「すべての年齢層」です。
ですから、パーソナリティには、ある特定の層にだけ熱狂的に支持されている人ではなく、全方位的に共感を集めるタイプの人がふさわしいと言えます。
その点、V6は完璧ですね。
そして、Hey!Say!JUMPと一緒にやるという形をとることで、若者層にもアピールするのと同時に、「社会が抱える問題を世代を超えて一緒に考えて、解決をめざす」というコンセプトを強化することができます。
2世代パーソナリティは、番組コンセプトを変えることなく、新しい視聴者層を取り込む最善の策ではないでしょうか。
ターゲティングができているからこそ、できる技ですね。
24時間テレビは、番組スタート以来、一貫して「福祉」というコンセプトが明確です。これこそ、多くの人に共感され、長期間、番組が続いている大きな理由ではないでしょうか。
ターゲティング。なぜ、年齢から絞り込むの?
わたしは、ターゲティングを考える時、クライアントさんには、「まずは、どこの誰と特定できるくらいに絞り込んでください」と申し上げています。
そうすることで、よりイメージが具体的になり、お客さまの抱えている問題を把握しやすくなるからなのですが、逆に言うと、解決した問題が明確なのであれば、その問題を抱えているすべての人をお客さまとして捉えることもできます。
実際、わたしのクライアントさんで、徹底的にお客さまを絞り込んだ結果、当初は考えてもいなかった層の方が「実は同じ問題を抱えている」ということに気づくこととなり、思いもかけなかったカタチで仕事を依頼されたりという成果を上げています。
要は、どこに焦点を当てて絞り込むか、ということなんですね。
「ターゲティングをやったことがない、やり方がわからない」という方が「お客さまの抱えている問題を絞り込む」というのは、とても難しいことです。
ですから、お客さまの問題を絞り込むためのファーストステップとして、たった一人のお客さま像を明確に決める、という作業が必要になってくるのです。
そして、たった一人のお客さまを明確に決めるのに最初に必要なこと、それがその人の性別・年齢を決めることなのです。
理想のお客さまを決めるというのは、漫画やドラマの主人公のような「理想的な」人物像を作り上げることではありません。現実にあなたの隣にいるような、血の通った人物像を作り上げることです。その結果、実際のお客さまの身近にある問題をあぶり出すことができるようになるのです。
24時間テレビ、なんか楽しみになってきてしまいました!
ここ数年、24時間テレビはあまり見ていなかった(去年、城島リーダーのマラソンのゴールだけ見た。)のですが、今年は見ようかなという気になりました。
この大人数が舞台上でどのように動き回るのか? 全員が同じステージに立つのではなく、何人かに分かれて全国を飛び回るってのも、おもしろいかも!等等、興味は尽きません。
コンセプトを活かした楽しい企画、待ってますよ!!
PS.マラソンランナーも楽しみですね〜。(^^)