人生の決断、人生の選択というのは、いつ何時、やってくるかわかりません。
しかも、その決断なり選択なりは、長い時間をかけて行うものではありませんよね。
あるタイミングで、必ずやってくる人生の選択。
その時、自分は何を選び何を選ばないのか、常に意識し続けている必要があります。
実はMacを駆使していた、過去のわたし
わたしが使っていたのと同タイプのPowerMac(写真出典はコチラ)
会社員時代、わたしは販促担当として、Macを使って、IllustratorやPhotoshopを駆使して、次々に「作品」を作っていた。
と言っても、あまり信じていただけないかもしれませんね。(笑)
「たまたま販促担当になった」
「会社に誰も使っていないMacが1台あった」(←使う予定だった社員が急に退職してしまったため。)
という運命のいたずらというか、偶然の賜物と言うか、成り行きと言うか……。そうなりました。
もう、ずいぶん前のことです。
当時、わたしの会社は、販促物・印刷物、諸々、すべてを外注していて、社内にデザイン機能がありませんでした。
外注って結構お金がかかりますし、印刷はある程度の量がないと採算が合いません。
Macを使って版下を作ってカラープリンターで印刷すれば、1枚からPOPも作れるし、個店のチラシも作れる!
ということで、その仕事をわたしが引き受けることにしました。
この、「社内でMacでCG」というのは、当時のわたしが自分で作った仕事です。Macのこと、ソフトのこと、知っている人は回りに誰もいませんでした。
「これから、そういう時代になりそうだから、やるならきちんとマスターしよう!」
と思ったわたしは、とある社会人向け専門学校の半年コースに通って、CGを学ぶことにしました。
週2回で半年間、受講料は50万円くらいしたと思います。ちょうど、生命保険の掛け替えをして払い戻し金が入ったので、そのお金を支払いにあてました。
家にMacも買いました。
当時のわたしにしては、思い切った自己投資でした。(高かったんですよ〜。Power Macintosh)
専門学校は楽しかったですね。
社会人向けコースのため、技術よりも、重視されたのは企画力、提案力。
講師の先生からは
「技術よりもプレゼン力が大切! クライアントの希望を汲み取って、相手の気持ちになった提案をすることが大切!! そこで社会人経験を活かすことができる!!」
と、言われていました。
確かにそうですよね。高校卒業して2年とか3年、専門学校で徹底的に学んでくるような子と、たかだか週2回半年技術を学ぶようなわたしたち、技術面で勝てるわけがありません。
わたしたち社会人経験者の強みは、クライアントとのコミュニケーション、プレゼン力、交渉力。つまり、仕事を取る力だと教えられたのです。
半年間のコース修了後は、一緒に受講した仲間と勉強会を立ち上げました。
社内の仕事で人手が欲しい時、仲間に頼んで引き受けてもらったりしましたし、また、講師の先生からは「講師として教えてほしい」とスカウトされました!
まあ、その時は会社を辞める決心がつかなかったので、そちらの道には進まなかったのですが……。
会社以外の社会を垣間見て……。
今にして思えば……。
わたしが意識して社外の人とネットワークを作ろうとして行動し、それが仕事につながるかも……!! という経験をしたのは、この時が最初かもしれません。
あの時、スカウトを受けて、あの時、会社を辞めていたら、今頃、わたしは、どこで何をしているのでしょうか?
運命の不思議を感じます。
技術ももちろん大切だけど、企画力、提案力が大切だと学んだあの時の自己投資、
決してムダにはなっていない。
そう思います。
時代が変わっても陳腐化しないスキルとは
当時のわたしが学んだCG。それは「紙ベース」のものでした。
つまり、IllustratorもPhotoshopも「印刷物の版下を作る」のがゴールイメージだったのです。
ところが、今やCGというのは動画やゲームの時代です。
平面の二次元ではなく、立体の三次元の世界で「見せる」のが主流になってしまいました。
会社を辞めて、印刷物を作ることもなくなったわたし、すっかりIllustratorもPhotoshopもご無沙汰しています。もう、今の最新バージョンを見ても、操作の仕方がわからないかもしれません。
それでも、今でも自信はあります。
お客さまが求めるゴールイメージを共有して、何をどのように表現するのが最適なのか提案する。
お客さまとのコミュニケーションを通してニーズを確認し、最適と思われるプランを提案する。
このプレゼン力こそ、陳腐化することのない、身についたスキルなのですから。
人生の選択、迷わないために。
人生の決断、人生の選択というのは、長い時間をかけて行うものではありませんよね。
あるタイミングで、必ず迫られる時がやってきます。
その時、自分は何を選び何を選ばないのか、常に意識し続けている必要があります。
CGを習いに行くという決断をした当時のわたし、きっと「いつまでも会社に依存したくない、会社の外でも勝負できるスキルを何か身につけておきたい」と思っていたのですね。
結果的に、ソフトを操る技術ではなく、プレゼン力の大切さに気がついた、これがわたしの得た最大の成果です。