3つの勇気さえあれば、何も恐れるものはない! 小島慶子さんが教えてくれました。
タレントでエッセイストの小島慶子さんが大黒柱マザーという本を出版されました。
小島さんは、夫の退職を機に、2年ほど前に家族でオーストラリアに移住しました。
今は、仕事のたびに日本に来ているということです。
「大黒柱マザー」は、今や一家を大黒柱として支える立場になった小島さんの心の葛藤やオーストラリアと日本を往復する生活で何を感じ、何を考えたのかを通じて、彼女の生き方、人生についての考えかたを知ることができる本です。
小島さんと言えば、元TBSアナウンサーで、長い間ラジオパーソナリティを務め、その「歯に衣着せぬ発言」の数々が「女子アナらしからぬ」と話題になることもしばしばだったようですね。
大柄で、「可愛らしい」とは言えないルックス、そして発言内容から「少し怖い」と思われがちな小島さんですが、実は、子どもの頃から家族関係に悩みを抱えたまま大人になり、その苦しみから摂食障害や不安障害を発症したという過去をお持ちでした。
恐らくですけど、一見「攻撃性がある」ように見られてしまう彼女のパーソナリティ(気質、人格という意味において)は、ご両親から受けていた過剰な期待と理想の押し付けに対抗するための手段として、常に相手と自分との距離感を保つように身を処してきたことと、
相手との関係性が自分の期待値と異なることを恐れるあまりに、自ら過剰に反応してしまうことの結果だったのではないかと思います。
そして今、両親の呪縛を手放し、新しい家族との関係性を築くに至った小島さんは、自分と同じように両親との関係性に悩み苦しんでいる方々のために、自分の経験談を伝え始めています。
さて、わたしは、局アナ時代の小島さんのことはあまりよく知らないですし、小島さんのタレント業もあまりよく知りません。
ただ、小島さんの書かれる文章を拝見して思うのは、彼女自身が、勇気を持って自分の意見を伝えようとしている姿勢が常にあるということです。
勇気って、一言で言ってしまえばそれまでですが、本当に大変なことです。
なぜなら、人は慣れ親しんだ環境を手放したり、自分にとっての常識を変えることを本能的に避ける動物だからです。「勇気」がなければ、このようなことはできません。
でも、小島さんは、3つの勇気をお持ちです。
1.本音を言う勇気
局アナやラジオパーソナリティの時代から、小島さんは、常に「本音」で勝負してきました。その姿勢は今も変わりません。それが元で、軋轢を生むこともあるのかもしれませんが、彼女にとっての正義を曲げることはできないようです。
2.家族関係を作り直す勇気
小島さんが長年苦しんだ不安障害は、子どもの頃のご両親との関係が原因でした。自分にとって絶対だと思っていた両親との関係を壊して再生するというのは、とても勇気がいります。でも、彼女は前に進むために、それを受け入れることを選びました。自分が楽になるためとは言え、勇気がいったと思います。
3.弱い自分を認める勇気
他者との関係を作っていく上で、つい攻撃的になってしまうのは、実は自分が弱いから……。これも認めるのは勇気がいります。しかし、彼女はご主人との関係を作り直すことを通じて、これも克服しました。家族との良い関係さえあれば、自分は自分のままでいいと自分を認める。……ひょっとしたら、これはまだ現在進行形なのかもしれませんね。
これら3つの勇気さえあれば、何も恐れることはない。きっとそうだと思います。
不安も恐れもあるかもしれませんが、それらとうまく付き合いながら前に進む。
小島さんが今後どんな生き方を見せてくれるのか、とても楽しみです。