自分の好きな服と似合う服は違うと言います。
同じことがキャラ立ちにも言えそうですね。
自分の好きなキャラを目指すのもいいですが、本当にあなたの良さを活かすのは、あなたに似合うキャラなのです。
逸材揃いのジャニーズなのに。
さて、久しぶりに私の好きなジャニーズネタです。(笑)
ジャニーズアイドルと言えば、女性ファンから歓声を集めてナンボ、キラキラ輝く王子様なのが当たり前……。というのは、ひと昔前の話。
今や、高学歴を活かしたニュースキャスター、スポーツキャスター、小説家、料理男子に釣りキチ、はたまたアニメオタクから筋肉バカ(笑)まで、バラエティに富んだ人材が揃っています。
自分の経歴、趣味、特技、こだわり、どんなことでも、やり方次第で自分の強みにできるってことですよね。
ところが……。こんな人がいます。
●事務所の社長に「顔の下半分がブサイク」と言われた。
●高所恐怖症の上、超ヘタレのため、地上300メートルの明石海峡大橋の体験レポの仕事をギブアップ。
●泳げないため、海女体験で溺れてダウン。
●20代にもかかわらず、体力年齢は60代。女性と握力勝負してボロ負け。
●口癖は「誰も知らないでしょ。ボクらのこと」「売れたい」
男性として、どうなの?
モテる要素、ないじゃん。
これでジャニーズやってけるの?
って感じですよね。
A.B.C-Z河合郁人くんとは?
彼の名前は、河合郁人(かわいふみと)。ジャニーズアイドルグループA.B.C-Zのメンバーです。
静止画だとイケメン。
A.B.C-Zは、ジャニーズ一のアクロバットを得意とする5人グループで、2012年にDVDデビューしました。メンバーの身体能力を活かしたパフォーマンスは、舞台公演やコンサートで如何なく発揮されています。この夏のコンサートツアーは、10公演で6万人を動員し、メンバーの塚田僚一くんが女装でやった連続バック転25回は、ワイドショーでかなり話題になりました。
こんなA.B.C-Z、前身となったグループの結成からデビューまで8年を要しました。メンバーの五関晃一くんは、デビュー時26歳。ジャニーズジュニア歴12年、ジャニーズ最年長デビューを更新した苦労人です。他、比較的「地味」と言われるメンバーばかりで、NEWSの手越くんや、Hey!Say!Jumpの山田くんや知念くんのような「キラキラしたアイドルキャラ」はいません。
・ジャニーズなのに自虐。
・テレビに出るたび「人気がない、仕事がない、だからお仕事ください」と、訴える。
・体力勝負から大喰いまでなんでも来い! お笑い芸人と共演すれば、本気でカラダを張って勝負する。
こんな彼ら、新曲のプロモーションの一環なのか? 正月明けに出演したのは、なんと全日本仮装大賞!(合格!)
なんなんだ〜。これは。
仮装大賞にて。大先輩の香取慎吾くんから、ありがたいお言葉。(笑)
すみません。
今まで黙ってましたが、わたし、ジャニーズではA.B.C-Zを一番応援してるんです。(今年こそは、コンサートに行くぞ!笑)
人見知りを強みに変えるには?
さて、河合くんの話に戻ります。
ブサイク、高所恐怖症、泳げない、体力なし、知られていない。(これ以外も、まだあるのですが……。笑)
おまけにとても人見知り。
人見知りの人は、自分から話しかけることが苦手な場合が多いのですが、話しかけられるのも苦手だったりするようです。一対一のコミュニケーションが苦手なんですね。
彼は、こんな自分の弱点をよく理解しています。
そして、その弱点をどのようにアピールすれば、人を惹きつけるのか、人を楽しませることができるのか、わかっているのです。
人見知りの人は、一対一のコミュニケーションが苦手なため、そうならないように、一対一になりそうな場を徹底的に避ける、あるいは、複数の人がいる前でやたら喋るという対策をとるようです。
お喋りな人が実は人見知り、結構よくある話ですよ!!
彼はまさしくこれに当てはまるのです。
彼は、人見知りを隠すため、喋りまくる、ボケまくるというテクニックを身につけました。
喋る題材は、自分の弱点を活かした自虐ネタ。これだったら、みんな面白がって聞いてくれます。
だから、バラエティ番組は、彼のキャラが最も発揮できるステージです。
何人かの人が並ぶひな壇で、何かのネタの感想を司会者から振られると、彼はその話に引っ掛けて、必ず自分の弱点から自虐ネタを披露して、笑いを取るのです。それは、A.B.C-Zメンバーと一緒に出演している時も同じで、メンバーをネタにして笑いが取れる場面は逃しません。
目指したキャラと、似合うキャラは違う?
アイドルなら、誰だって、カッコイイと言われたいはず。ましてや、彼はジャニーズのグループメンバー、ファンの女の子からキャーキャー言われたいはずです。
河合くんの憧れは、SMAP。最初は木村拓哉さん路線をめざしていたそうです。
しかし、ある日、先輩の一言が、彼を変えたのです。
「お前はそっちじゃない。」
この言葉を放ったのは、タッキー&翼の滝沢秀明くんです。
自分の目指していた方向が間違っていると言われた河合くん、ショックだったでしょうね。
A.B.C-Zメンバーとタッキー。
左から、橋本良亮くん、河合郁人くん、タッキー、五関晃一くん、塚田僚一くん、戸塚祥太くん
でも、彼が偉かったのは、ここから。
尊敬する先輩のアドバイスを受けて、自分を活かすキャラは何かを考えたんですね。
そっち(木村拓哉路線→アイドル路線)じゃないって、俺はどっちだ?
ここで、彼が選んだのが、バラエティ路線でした。
MC、ボケ、ツッコミ、質問、かぶせ、ガヤ。おそらく、ジャニーズ先輩のMC術やお笑い芸人の喋りを徹底研究したことでしょう。
そして、 見事キャラチェンジした河合くん、今や、バラエティ番組では、お笑い芸人と同じポジションでひな壇をこなします。冠番組では進行役を務め、グループで出演する番組でも質問には主に彼が答えています。
ピンで出演する機会も増えているので、今年中には、バラエティ番組のレギュラーを取れるのではないでしょうか。
ジャニーズアイドルとしての弱みを全てバラエティの強みに変えて、自分に合うキャラ立ちをした河合くん。
彼の選択は間違っていませんでした。
客観的な評価を受け入れることで……。
自分の好きな服と似合う服は違うと言います。同じことがキャラ立ちにも言えそうですね。
自分の好きなキャラを目指すのもいいですが、本当にあなたの良さを活かすのは、あなたに似合うキャラなのです。
そして、そのキャラを知っているのは、あなた自身ではなくて、案外身近にいる誰かなのかもしれませんよ。
それにしても、ここまで彼を導いた滝沢くんの人を見る目もなかなかですね。さすが、ジャニーズ一のプロデュース力はあなどれません。