お客さまは「自分が本当に何を望んでいるのか」ということをきちんと認識しているとは限りません。
それこそ、その理由はお客さまにとって当たり前の無意識、つまり潜在意識の奥底に潜んでいるかもしれないからです。
あなたはどうやってそれを知ることができるのでしょうか?
ギャンブルよりも確実性が選ばれる理由
こんなゲームをご存知ですか?
わたしとあなたがゲームをするとしましょう。
100円玉を投げて、数字の面が表に出たら、あなたは1万円を獲得。
もし、裏が出たら、あなたは私に5,000円を支払う。
勝負はたったの1回限り!
このギャンブルに、あなたは参加しますか?
多くの実験によると、このような場合、 ほとんどの人が「ゲームに参加しない」を選択するそうです。
勝った時の報酬は2倍になので、チャンスのほうが大きいのに…。
この話からおわかりいただけるように、「何かを得る or 何かを失う」を選択する場合、 人は、「失いたくない!」といった気持ちの方が強くなってしまうのです。
人は、獲得の喜びよりも、損失の痛みのほうが2~4倍大きく感じるんだそうですね。
人は「絶対、損したくない!」と思っているんですね。
と言いつつ、ギャンブルにハマる人もいるので、人とはわからないものです。(^^)
欲しい? 損したくない?
人がモノを買う時、買うと決める理由は2つあります。
1.取得の欲求がある時、つまり「欲しいから」
2.機会損失の回避、つまり「損したくないから」
この2つ、例を挙げてみます。
1.「欲しいから」という取得の欲求が働いている時
暑いから冷たいものが食べたい → かき氷、アイスクリーム、アイスコーヒー、そうめん、ざるそば、等
婚活パーティに行くから、きれいになりたい → エステ、ダイエットフード、化粧品、洋服、靴、バッグ、アクセサリー、等
2.「損したくないから」とうい機会損失の回避の欲求が働いている時
絶対に手に入れたい! → 行列のできるパンケーキ店に並ぶ、人気ゲームソフトの発売日に並ぶ、人気アーティストのコンサートチケットの予約電話をする、期間限定商品を手に入れる、等
今買っておけばお得! → ランドセルや学習机、雛人形やこいのぼりをオフシーズンに買う、旅行等の早期予約、CDやDVDの予約特典、最終バーゲンで来年も着られそうな洋服を買う、等
まとめて買えばお得! → ◯◯個以上お買い上げの方にもう1つ進呈、◯◯個以上お買い上げの方は10%OFF、◯◯円以上お買い上げの方は送料無料、等
思い当たるふし、ありませんか?
お客さまの欲求を刺激する仕掛けがあると……!
このように、人間の自然の欲求を刺激するような仕掛けがあると、人は無意識で仕掛けの通りに誘導されるものです。
「欲しい」「欲しくない」には、それぞれちゃんと理由があるものです。
何となく当たり前のように買っているように見えても、潜在意識のどこかに欲しい理由がインプットされているので、迷わず疑わずに人は買うのです。
つまり、お客さまがどういう時に「欲しい」と思うのかを知るためには、お客さまの「取得の欲求」と「機会損失の回避」がどこで働いているのかを見極める必要があるのです。
お客さまは何を望んでいるのか
お客さまは何を回避したいのか
そして、一般的に人は「機会損失を回避したい(=損したくない)」という気持ちのほうがより強く働くということを、ちょっと頭の中に入れておいてください。
直接聞いたら早いじゃん!ってこと
とは言え、お客さまは「自分が本当に何を望んでいるのか」ということをきちんと認識しているとは限りません。
それこそ、その理由はお客さまにとって当たり前の無意識、つまり潜在意識の奥底に潜んでいるかもしれないからです。
あなたはどうやってそれを知ることができるのか?
方法はひとつ。お客さまに聞くことです。
ただ、普通に「何が欲しいですか?」と聞いてもおそらく期待するような答えはいただけないでしょう。
質問の方法を変える必要があります。
どうやって聞けばいいのか? 次回更新に続きます。