何かを手に入れようとするなら、何かを捨てなければいけないと言いますね。
大切なものを失った代わりに、他の誰にも真似できない境地に、今到達しようとしている人がいます。
彼は、とても大切なものを手放しました。でも、その代わりに、とてつもないものを手に入れようとしています。
大御所も若者も、芸能人50人を手玉にとる!
先日放送されたテレビ朝日系の特番「中居正広VS芸能人50人! 世代別クイズバトル ジェネレーションチャンプ」ご覧になりましたか?
いや〜。中居くん、すごい。すごかった。
ジェネレーションギャップなんてもんでは語り尽くせない、「お互い、話が通じない」世代の異なるグループ同士を、あんなにうまく仕切っておもしろくしてくれるなんて……!
笑福亭鶴瓶さんとの紅白司会や「笑っていいとも」の最終回の時に次ぐ、中居正広の底力を見せていただきました。
SMAP解散に伴う一連の騒動があって、今。
仕事の現場では、まだまだ、微妙な空気が流れることもあるだろうと想像します。
今、中居くんが何を思い、どうやって自分をコントロールしているのか、一視聴者にすぎないわたしには、わかりません。
ただ、これだけは言えます!
「中居正広こそ、たったひとりで多人数を仕切って、テレビ番組を成立させることができる、稀有な司会者である」と。
おせっかいが過ぎるのは、重々承知していますが……。誠に勝手ながら、司会者としての中居くんの強みを 分析させてください!
「司会」というフィールド、中居くんの3つの強み
司会というフィールドにおける、中居くんの強みは次の3つではないでしょうか。
1.1人で動ける。
中居くんは、自分でペースを作って番組を組み立てていくことができます。彼の強みが最も発揮されるのは、彼がひとりで司会というポジションについている時です。
華やかさを添えるための女性アシスタントはむしろ邪魔で、長時間特番であれば、タイムキーパー的なアシスタントをしてくれる局アナがいてくれれば十分です。
先日の「中居正広VS芸能人50人」は、まさにこれでした。各世代の解答席を走り回って場を回していた中居くん、彼の強みはいかんなく発揮されていました。
2.視聴者の認知度に合わせた番組をつくることができる。
中居くんは、常に知らないことを「知らない」と言います。知ったかぶりしません。
だから、中居くんに「知ってもらおう」と、彼に話を振られた出演者は必死に話します。
そんな状況で、あまり知名度がない出演者や、「いじりがい」のある出演者に対して、中居くんは、ネタを振った後、知らないふりしてボケて回収するという高度なテクニックも駆使します。
視聴者は「この人はこういう人なんだ」と知ることができる上に、笑わせてもらえるのです。
3.上に対しても下に対しても、嫌がられないキャラクターである。
芸能生活30年を超える中居くん、出演者の中で彼が最もキャリアがある立場ということも珍しくなくなりました。
その上、現在大物と言われるような方々とも、若いころから一緒に仕事をしてきて気心しれているので、大物を転がすすべも心得ています。
どんな人に対しても、いじりのさじ加減が絶妙!何をしても怒られることは、まずありません。
その上、ジャニーズの後輩等の「目下」格の出演者をアゴで使っても、適度に自虐ネタ(結婚できない、人を愛せない、潔癖症、等)を絡めながらなので、嫌がられません。
また、芸人さん同士の出演者の場合、視聴者には関係のない、芸人界の「先輩・後輩」的な空気が場を支配してしまうことがあります。
ところが、中居くんの場合は、どんな人に対しても「元々の業界が違う」という立場で、余計な気を使っているそぶりを見せないので、視聴者としては純粋に笑って見ていられます。(中居くんが怖がるのは事務所の先輩、マッチや少年隊くらいでしょう。笑)
中居くんは、なぜ強みを手にいれることができたのか?
では、なぜ彼はこのような強みを手に入れることができたのでしょうか?
1.若いころから「司会者」のポジションを得ることを意識して、徹底的に学んでいた。
SMAPデビュー前から、彼がそのような準備を怠らなかった様子は、当時合宿所で一緒だったTOKIOの城島くんが折にふれ語っています。
2.何でも屋になることより、専門スキルを磨くことを選んだ。
中居くんの弱点と言えば「歌」。彼が歌のスキルアップに時間を使った形跡は認められません。笑
同様に、コンサートのステージングに関しても、自分のソロ部分以外については、他の誰か(香取くんかな?)に任せきりだったことでしょう。
SMAPを率いるリーダーだからと、彼があらゆる面でSMAPをプロデュースしようとした形跡は認められません。
彼は「バラエティ」というフィールドで自分の力を最も発揮することに集中していました。
自分を活かせる場に全力集中していました。そうでない場では、いい意味で「手を抜いて」いたと思います。その姿勢は、今でも「自分が全力で前に出なくてもいい場面」ではしばしば見受けられます。^^
3.年齢とキャリアを重ねると共に、「ここまではOK」のラインを下げ、本来持ち合わせていた「自分なりの毒」を吐くことができる環境を手に入れることができた。
40歳を迎える前後から、中居くんは「老い」や「衰え」を隠さなくなりました。
若い子のことはわからない、人のペースに今更合わせることはできない、面倒くさい恋愛はしたくない、etc.
「言ってるだけ」かもしれませんが、アイドルと言われた人が、このような姿を見せたことがあったでしょうか。
SMAP自体が、日本で最初にそれをやってのけたグループだったのです。その先頭に立っていたのが中居くんでした。
自ら「アイドルの裏側」を自己開示して見せたことによって、彼自身も他の人に対して自己開示を求めやすくなりました。「寸止め」までの距離が縮まったのではないでしょうか。
アナウンサー出身者はおろか、芸人出身、俳優出身の司会者の誰もなし得なかった、他の誰にも真似できない境地に、今、中居正広という人は到達しようとしています。
中居くん、次に目指す境地は?
本当にすごいなあ。素直に尊敬です。
中居くんは、SMAPという帰る場所を失いました。
しかし、彼はひとりになったことで、純粋に、ひとりの司会者としての高みを存分にめざす、という選択肢を手に入れたとも言えます。
次に見てみたいのは、なんだろう。
やっぱり、紅白の司会かなあ。
来年、期待したいなあ。オファーがあったら、ぜひ受けてほしいものです。(嵐をいじりまくってほしい!!!!! 笑)