会社に属していないという立場だからこそ、本当にやりたいことをやりたい人が集まったチームでやることができています。
そして、その場で求められているのは、わたしが会社時代に培ってきたスキルの数々。
自分が無理なくできることが求められる場があるというのは、ありがたいことです。
ピンチヒッターの店舗クリニックを経験して。
福岡にて。
「ブランディングプロデューサー」として活動しているわたしですが、もうひとつ「ショップリサーチコンサルタント」という肩書きがあります。
これは、主に法人研修のお仕事で名乗らせていただいているのですが、過去の経験を活かして、商業施設や専門店チェーン等の店舗における問題解決のお手伝いをさせていただいています。
昨年の11月のことですが、福岡の某ファッションビルのグループコンサルティングにおいて、4店舗の店舗クリニックをさせていただきました。
本来は、別の役割で参加する予定だったのですが、担当予定の講師の方が病欠されたため、ピンチヒッターとして担当することになったのです。
ほぼ初見の店で、店長とお店の問題解決をテーマに1時間ガッツリお話ししました。
店舗クリニックは、店長に「困っていること」や「悩んでいること」を聞いて、解決に向けてアドバイスをするというスタイルでやるということでしたので、「マネージャー時代に巡回先の店舗でやってたことをそのままやればいいのかな」ということで、何とかなりました。
店長は基本的に孤独なもの。悩み事を相談することなど、あまりできないものです。
それどころか、悩みを抱えているということに気づいていない人も案外いるもので、「自分が何とかしなければ」「自分ががんばれば何とかなる」与えられた環境に殉じているような人もいたりします。
わたしは、自分の身を削ってがんばるなんてこと、全然できないたちで、休みも取らず連続勤務で働き続けるなんてこと「ありえない!」でした。
ところが、諸般の事情でそういう働き方をせざるをえない店長はゴロゴロいるものです。(電通の問題が表面化しましたが、決して電通だけの問題ではないですよね!)
店長が自分の仕事に没頭してしまっている場合、どうしても視界が狭まったり、視点が低くなりがちなので、一歩下がって俯瞰して見るようにしてもらいます。
問題の本質はどこにあるのか気づいてもらえさえすれば、解決策のアイディアは出てくるものです。
商品の売れる順番のセオリーから、SNSを活用した店外販促まで、求めに応じて、いろいろなご提案をさせていただきました。
会社を辞めた時は、こういう仕事をするとは夢にも思っていなかったので、ご縁の不思議さを感じます。
3年前のわたし。
今からちょうど3年前、わたしはfacebookでこんな記事を書いていました。再録します。
************************
わたしは、会社を辞めて起業することを志して以来、「起業家と会社員は違う」と思っていたので、会社員時代の経験から得たことは一旦すべてリセットしました。
ある意味、「封印」して、イチから学ぶことに専念してきたのです。
しかし、会社員であろうとなかろうと、わたしはわたし。
一人の同じ人間です。
会社員の経験を通して、自分自身が身につけてきた「強み」で、会社を離れてからでも使えるものはたくさんあることに、気づきました。
わたしの場合、大きく分けると、以下の3つです。
1.成功への近道は、成功者を徹底的に真似ること。
自分にできない仕事があれば、できる先輩のやり方を見て、どういう意図でやったのか聞いて、同じやり方でやってみた。そのおかげで目標達成できたことは何度もあった。
成功事例をそのまま真似るやり方は成功への近道だと肌で知っていた。
2.大切なことの本質を「伝わるように伝える」こと。
本社や上司からの指示命令をそのまま伝えることで、相手がキャパオーバーになると思えば、部下への指導は、常に自分のフィルターを通して伝えるように意識していた。
大切なことの本質を「伝わるように伝える」ように意識していた。
3.「問題解決の本質」を身につけて使いこなすこと。
仕事の本質は問題解決であるということを知っていたので、部下に対しては、対症療法的に目の前の問題を片付けるノウハウよりも、いつでも使える「問題解決の本質」を教えることを意識していた。
過去の経験に無駄なことはひとつもない。
先にあげた3つのスキル、会社員であろうとなかろうと、仕事をしていく上で身につけておかなければならないことばかりです。
改めて、今、自分とお客さまとの関係を、会社員時代の上司部下関係や、お客さまとの関係に置き換えて、対応していることに気がつきました。
これらのスキルのこと、今までは大して意識していなかったのですが、大いに活用できているのです。過去の経験はなんら無駄になっていなかったのです。
長年の経験から身につけた
「相手の話を聞いて、問題を把握する力」
「相手が自分で問題解決できるように、仕組みづくりを教える力」
今のわたしにに必要とされる資質そのものです。
これらのチカラを身につけていることは、どうやらわたしの大きな強みのようです。
求められることのありがたさ。
会社という組織に今更戻りたいとは思っていないわたしですが、会社に属していないという立場だからこそ、本当にやりたいことをやりたい人が集まったチームでやることができています。
「ショップリサーチコンサルタント」の仕事は、まさしくそれです。
そして、その場で求められているのは、わたしが会社時代に培ってきたスキルの数々。
自分が無理なくできることが求められる場があるというのは、ありがたいことです。