今日は、会社員の方で「社内でちょっと煮詰まっている」という方に向けてのお話です。
「困っているけれど、誰も教えてくれない」「教えてもらってもうまくできない」といったビジネススキル、ってありますよね。
例えば、チームビルディングはその最たるものではないでしょうか。
マネジメント職につくのであれば、必要なスキルなのについ見過ごしていた、その結果、「結論が出ない長時間会議」や「無駄な残業」につながってしまい、会社や自分にとってのデメリットにつながっている、もったいないですね〜。
最近、外部の教育研修担当者に、チームビルディングのファシリテーションが求められることが結構多いということ、ご存知でしょうか?
と言うことは……。
チームビルディングを得意としている会社員の皆さん、あなたもブランディングできますよ!
「ねぎらいマネージャー」登場!
昨日参加させていただいた「ねぎらい学アカデミー」特別講座で、素晴らしいお話を聞くことができました。
講師は、大類靖弘さん。某超大手外資系企業のバリバリ営業マンで、「ねぎらいマネージャー」です。
トップ営業マンだった大類さん、若くして念願のマネージャー職に抜擢されたのですが、彼が任されたのが「万年ビリのダメ集団」と言われた某チームでした。
お話を伺うと、まるでテレビドラマに出てきそうな「ダメ人間の集まり」で、メンバーの何人かは「クビ間近」、前任者のマネージャーは降格の憂き目にあったという状況だったとのこと。
こんなメンバーを率いることになった大類さんでしたが、なんと、たった一年で、「万年ビリ」集団を「全社1位」の業績を上げるまでに育て上げたというのです。
その秘訣の一端は「ねぎらい」にあったということなのですが……。
おっと、この先はネタバレになる(笑)ので言えませんが、今回、わたしが大類さんのお話を聞いて思ったのは、
会社員でも、自分の仕事の中である特定の分野の能力を磨きあげたら、それが社会に通用するブランドになることは十分可能。
ということです。
マネージャーが本来の仕事をするためには
大類さんの2時間のわたるお話の中のあるエピソードを聞いて、わたしは思い出したことがありました。
それは、大類さんが「(答え)くれくれ星人」的部下にどのように対応して、部下を成長させていったかというお話だったのですが……。
「管理職はマネジメントとリーダーシップに時間をかけるべきであって、他の余計なことに時間をかけるべきではない。」
「答えを求めてくる部下の仕事を引き取って自分がやってしまうことをやめなければ、いつまでたっても自分のために時間を使えない。」
わたしにも似たようなことがありました。
ある新店の店長をやった時のこと、当時の部下がまさにこの「くれくれ星人」でした。
本人に悪気はなく、ただ「店長に聞いて答えを教えてもらって、その通りやるのが自分の仕事」と思っていたふしがありました。
ところが、こちらは新人ばかりの新店をマネジメントするのが仕事です。二番手として彼に片付けてもらいたい仕事にまでいちいち指示を出していたら、時間がどれだけあっても足りません。
そこで、わたしは、彼が何かしら「◯◯はどうしたらいいですか」と聞きに来るたびに、こう言っていました。
「君はどうしたいの?」
彼は彼なりに「◯◯したらいいと思います」と答えますので、わたしは続けてこう言いました。「わかった、それでいいからやってね」
二度、三度、彼が「◯◯はどうしたらいいですか」と聞きに来るたびに、「君はどうしたいの?」と聞き続けました。
そのうち、彼も「どうやら、店長に聞きに行っても自分で考えさせられるらしい」と、わかってきたようです。
四度目くらいからは、「◯◯なんですが、僕は◯◯したらいいと思うんですけど、いいですか?」と聞いてくるようになりました。
こうなったら、もうしめたものです。
わたしの仕事はひとつ減りました。笑
仕事を抱えるマネージャーにはなりたくなかった!
マネジメント職にある人の中には「部下の仕事の隅々にまで目を光らせて、部下が頼ってきたら自分が何でも引き受ける」という仕事スタイルの方もいらっしゃいます。
そういう方は、口では「部下が育たないから、自分で全部やらないと」「自分の仕事はいつになっても楽にならない」と言いがちですが、往々にして自分からそのスタイルになるように仕向けている場合が多いものですよね。
わたしは全く逆で、「仕事はできるだけルーチン化して部下に任せて自分の時間を作って、自分がやるべき仕事をしたい」と思っていました。
わたしは、どうにも「朝から晩まで仕事漬け」という生活ができないたちでしたので、部下の仕事を引き取って自分は残業なんてとんでもない!と思っていました。
先ほどの新店のように、自分がやらざるを得ない環境からは早く脱出したかったので、なんとかして自分の仕事を部下に回して、自分はもっと自分がやるべきことをしたいと思っていました。
大類さんのお話を聞いて、近いものがある!と感じました。
会社員でも、ジャンルを絞ればブランディングできる!
大類さんは、「ダメ集団」を率いることになった最初の段階で、徹底的に部下の話を聞いて、部下を理解することにつとめたそうです。そして「ねぎらい」の言葉をかけ続けたそうです。
部下が何を考えているのかを理解していた大類さんには、部下のモチベーションが下がるポイントもわかっていました。
なので、日々、何かが起こったとしても、相手のモチベーションを下げないように声のかけ方を工夫さえすれば良かったのです。
その結果、大類さんのチームは見る見るパワーアップして、大きな成果につながったのです。
大類さんは、もう十分に「ねぎらいマネージャー」としてブランド確立しています!!
大類さんのお話を聞いて、会社員として組織の中で働いていて、どんな仕事をしていたとしても「自分のやっていることは、会社の外では通用しないのでは」と考える必要はないと思いました。
自分の仕事の中のある絞り込んだ得意ジャンルについて「これだったら誰にも負けない」くらいの気概を持って取り組めば、それは必ず誰かから必要とされます。
ジャンルは、絞り込めば絞り込むほどいいかもしれません。
大類さんであれば「万年ビリ集団でも、ねぎらいでマネジメントすることでNo.1チームを育てることができる」でしょうし、
わたしだったら「マネージャーが本来やるべき仕事に集中して成果を出すために、どのように周辺環境(仕組みづくり&部下育成)を整えるか」でしょうか?(今、その中でも「仕組みづくり」が自分の仕事として成り立っています。)
このような「困っているけれど、誰も教えてくれない」ようなビジネススキル、必要とされている方、案外いらっしゃるのではないでしょうか?
会社員の皆さん、あなたもブランディングできますよ!