時代を変えるのは、いつも常識の逆張りです。
ニッチなマーケットを探り、ブルーオーシャンを探って、新しいマーケットを開拓するのもひとつのやり方ですが……。
今まで当たり前だったこと、常識だったこと、何の疑いもなくやってきたことを疑ってみてください。
常識の逆張りこそが、あなたに新しいビジネスチャンスをもたらすのです。
ファンも度肝抜かれた!R2D2型冷蔵庫
今年は、スターウォーズの新作が10年ぶりに公開されるということで、何かと話題になっていますね。わたしの周りの「スターウオーズマニア」は、今からソワソワしています。(公開予定は12月です。)
第1作が発表されてからなんと38年。登場キャラクターもとても魅力的ですね。公開に合わせて、様々な企画が立ち上がっていますが……。
こんな関連商品が開発されているそうです。
リモコン操作で飲み物を運んでくれる!あの「R2D2」が冷蔵庫になった
R2-D2を冷蔵庫にしちゃった……だって欲しかったんだもん
人気映画スター・ウォーズ「R2-D2」型の冷蔵庫 中国ハイアール、来年発売へ
え? R2D2みたいに動いて飲み物運んできてくれる冷蔵庫!?
まだ開発中とのことですが、もう、話聞くだけでワクワクしますね!!
この、R2D2冷蔵庫、開発しているのは、ハイアールアジアです。
ハイアールアジアは、中国の家電メーカー、ハイアールグループで、日本を含む東南アジアのマーケティングを担当している会社です。三洋電機の洗濯機・冷蔵庫部門を買収して、AQUAというブランドで展開しています。
R2D2型冷蔵庫のニュースを見て、ハイアールアジアの商品ラインナップを調べてみてびっくり。もちろん普通の白物家電もありますが、何ともトリッキーな、パンチのきいたラインナップがゾロゾロでてきました!
R2-D2冷蔵庫から透明洗濯機、Android冷蔵庫までハイアールが変態家電をマジメに開発中
ネットニュースに「変態家電」と書かれてしまうなんで、どんだけ〜?(笑)
テレビでもよく紹介されている、持ち運べる洗濯機COTON(コトン)もハイアールアジアの製品なんですよ。
このR2D2冷蔵庫と共に新商品発表会で紹介されたのが、液晶パネル付冷蔵庫「DIGI」です。
これもネットニュースになっています。
ぱっと見はまるで「縦型テレビ」です。なぜ、こんな商品を開発したのでしょうか?
成熟業界だからこそ、必要だったのは……。
ハイアールアジアは、別段インテリア家電の専門会社ではありません。いわゆる正統派の白物家電メーカーです。
家電業界と言えば、ひところは、成熟業界の代表と言われるほどでしたよね。
特に、冷蔵庫や洗濯機といった「白物家電」は、買い替えサイクルが長いこともあり、少子高齢化の日本においては、今後大きな市場拡大は見込めないと、つい最近まで言われていました。
ところが、羽なし扇風機やロボット掃除機など、業界の常識を覆す新しい家電が次々登場して、ヒットしています。
業界の常識にとらわれず、お客さまの立場に立った製品であれば、新しい需要は生まれるということですよね。
ハイアールアジアがトリッキー商品を開発できた理由
さて、ハイアールアジアで、このような製品が生まれたのには、大きく2つの理由があるそうです。
1.家電業界出身ではない社長の柔軟な発想力
ハイアールアジアの伊藤嘉明社長は、タイで育ち、日本コカ・コーラやデル、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントなど複数の業種を渡り歩いた、プロの経営者です。そのため、日本の常識、業界の常識に全くとらわれない発想ができたのですね。
「液晶パネル付き冷蔵庫」の開発にあたって、社長はこんなことをおっしゃったそうです。
「冷蔵庫は冷やすだけという役割はもう終わり」
→10年サイクルで買い換えるものだから、シンプルで飽きのこないデザインこそが好まれるという常識に疑問を投げかけた。
→その結果、液晶付き冷蔵庫、R2D2型冷蔵庫というアイディアが生まれた。
「家電量販店で売るだけが販路ではない」
→冷蔵庫を「冷蔵機能付きディスプレイ」と捉えると、ホテル・レストラン・オフィス・屋外広告等、従来の発想からは思いつかなかったような販路が開拓できた。→新しく法人向けの販路も開拓できた。
どちらも、業界の常識にどっぷりつかった「白物家電のプロ」からは、おそらく出てこない発想ですよね。
2.社長の発想力を製品化する技術を持つ旧三洋の技術者たち
三洋電機はハイアールアジアとパナソニックに分けて事業継承され、会社としては消滅しました。
ハイアールアジアに移籍した技術者たちは、買収された悔しさをバネに社長の想いをカタチにするために、持てる力を最大限に発揮して製品化にこぎ付けたのです。
まさに、”三洋魂”。日本の技術者の底力、ですよね。
常識は疑ってかかってこそ!
時代を変えるのは、いつも常識の逆張りです。
ニッチなマーケットを探り、ブルーオーシャンを探って、新しいマーケットを開拓するのもひとつのやり方です。
ですが、今まで当たり前だったこと、常識だったこと、何の疑いもなくやってきたことを疑ってみてください。常識の逆張りこそが、あなたに新しいビジネスチャンスをもたらすのです。
ハイアールアジアが、三洋電機から引き継いだ冷蔵庫や洗濯機を細々と作り続けていたら、今のように話題になることはなかったでしょう。
自由な発想力で、業界の常識では考えらえなかったことを実現させたからこそ、お客さまに知ってもらい、興味を持っていただくことができたのです。
頭の固い大企業(笑)でもできたのです。さあ、次はあなたの番ですよ。