自分が興味関心を持ったことに関して、徹底的に調査研究を重ねれば、人に伝えることができる立場になれるものです。
どうしたらわかりやすく伝えることができるか? 興味関心を持ってもらえるか?
こんな問題意識で日常の物事を見ていけば、多くの人が見落としているヒントを見つけることができるものです。
アンテナを張っていて見つけた情報
なぜ売れる?ヒットマンガの秘密を徹底リサーチした結果!
マンガ「インベスターZ」に学ぶ、常識をひっくり返す発想術
以前、このようなブログ記事を書いているわたし。
このブログで取り上げたのは、マンガ家界随一のマーケティング力を持つマンガ家、「ドラゴン桜」作者の三田紀房さんです。
なんとか、直接話を聞ける機会はないものかと情報を探していましたところ、こんなものを見つけました。
インベスターZ×ファイナンシャルアカデミーで学ぶ「投資の極意」(講師:三田紀房)
社会人向け投資スクール「ファイナンシャルアカデミー」主催のセミナーの案内でした。
三田紀房先生の話が聞ける! これは、またとないチャ〜ンス!! 早速申し込んで行ってきました。
セミナーでは、「インベスターZ」の抜粋が配られ、まず、ファイナンシャルアカデミーの講師の先生が、マンガ「インベスターZ」に出てくる様々なエピソードを解説しながら、参加者に「投資脳」による考え方、株式投資の基本等を伝えてくれました。
そして、いよいよ三田紀房先生の出番! 講師の先生が三田紀房先生にインタビューするカタチです。
三田紀房先生、なぜ、こんなマンガを描こうと思ったのか云々から始まって、三田紀房先生のマーケティング的発想はどこから来るのか?等等垣間見えて、とても面白かったです。
大ヒットを生み出す発想術!
三田紀房先生のお話、せっかくなので、先生の「発想術」をメインに、シェアします。
1.マンガになりそうな題材はどうやって探すのか?
世間的に興味関心があって、マンガ界でまだ描かれてなさそうなものを探す。
例えば、インベスターZの場合。「お金について学べる」マンガは描かれていなかった。
お金がテーマのマンガは「ナニワ金融道」「ミナミの帝王」等、ないことはなかったが、「取り立て屋」が主人公で、一般の人が「お金について学ぶ」というスタンスではなかった。
銀行や証券会社を舞台にして描くことは可能だが、その場合、通常は銀行マンや証券マン等、金融関係で働いている人を主人公にしてしまいがち。それでは読者は感情移入しない。(主人公がどんなに稼いでも「当たり前だろう」と思ってしまう)
ここで必要なのが意外性。題材とはまったく縁遠い存在の主人公を配置することで、読者の興味を惹くことができる。
ちなみに、インベスターZは、題材が株式投資、主人公は中学一年生の男の子。
2.具体的なアイディアの膨らませ方は?
インベスターZの場合は、先に描いている野球マンガの取材の時にヒントがあった。
甲子園常連校の監督への取材時に「学校経営が苦しい」という話を聞いた。甲子園常連校でも、今は生徒を集めるのが大変らしい。そんな強豪校でも、苦しい状況なのかとビックリした。
帰りの電車の中で、どうしたら学校経営が安定するのかと考えた。
学校運営の資金を生徒から集める授業料だけでなく、学校が持っているお金を運用して作り出すことができればいいと考えた。
そこで、元の資金は創立者が出したことにして、そのお金を生徒が運用することにしたらどうかと考えた。
生徒が株式投資するという行動を「投資部」という部活の活動にしてしまえば、みんなで一緒に部活をがんばるという、よくある中学生の行動を置き換えることができる。
3.マンガにすることで何を伝えたいのか?
「インベスターZ」では、株はおもしろいもの、株をポジティブなものに捉えてほしいという想いがあって描いている。
投資、株式運用というと、難しいもの、失敗すると怖いといったイメージがあるが、そもそも、株はおもいしろいもの。人生を賭けるというより、ゲーム感覚でやって、楽しさを見出してほしい。
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三田紀房先生が、余談としてお話されていたのですが、
三田紀房先生、先日、川崎フロンターレ主催の株に関するイベントにゲストとして行ってきたそうですが、そこに株式優待で有名な桐谷さんも招かれていたということです。
桐谷さんが自転車で場内を一周してみせると、集まった3万人のお客さんは大喜びしていたそうです。
株で人生を楽しんでいる桐谷さん、世間の皆さんにとっては、ある意味憧れなのかもしれませんね。
ブルーオーシャンを見つける!
別段、株式投資のノウハウを知りたいと思って参加したわけではなかったわたしにとって、三田紀房先生の「発想術」は、やはり興味深かったです。
特に、
世間的に興味関心があって、マンガ界でまだ描かれてなさそうなもの
マンガの題材をこの視点から探すというのは、マーケティング的な発想ですよね。
つまり、需要はあるのに供給がないもの、ありそうでないもの、世間の人が求めているもの、ということになりますから。
ビジネス用語で言うと、ブルーオーシャンですよね。
また、アイディアを膨らませるのに、自分の持っている問題意識と、一見あまり関係がなさそうなところに実はアイディアを膨らませるヒントがあるというのも興味深いですね。
例えば、三田紀房先生は、
お金を題材としたマンガを描きたい
▼▼▼▼▼
意外性で、主人公を子どもにしよう
という問題意識があったとして、
野球マンガの取材で甲子園常連校の監督に会う
▼▼▼▼▼
甲子園出場の秘訣を聞く
というシチュエーションからの話で、
強豪校でも、実は学校経営が苦しい
というヒントから、「インベスターZ」の骨組みを発想されたワケですから。
ヒントは日常に転がっている!
三田紀房さんは、「インベスターZ」を描くまではまったくの投資素人だったようです。
しかし、マンガを描くという目的のもとに、多くの人に取材を重ねた結果、セミナーで講師をしたりイベントに呼ばれるほどになったワケです。
きっかけが何であれ、自分が興味関心を持ったことに関して、徹底的に調査研究を重ねれば、人に伝えることができる立場になれるということですね。
そして、どうしたらわかりやすく伝えることができるか? 興味関心を持ってもらえるか?
という問題意識で日常の物事を見ていけば、多くの人が見落としているヒントを見つけることができるのです。
さあ、あなたのやりたいことは、どうでしょうか? 世間の人がまだ気がついていない視点から見てみませんか?