人は、会ったことがある人、そしてその頻度が多い人を好きになるものです。そして、人間的側面が感じられる人をより好きになるものです。
先日、とても大切なお友達と会ってきました。
彼とは、5ヶ月ほど前、同じセミナーを受講した時から仲良くしています。
会った日数は、合計で1週間にも満たないけれど、その間、お互い、いろいろとカミングアウトし合い、結構濃密な時間を過ごしたので、本当になんでも話せる間柄です。
そういう関係性の友達って、すごくありがたいですよね。
人間って、普通は、知らない人には心を開かないものです。時々、異常なほどの「人見知り」と言われる人がいますが、そういう人でも、友達が一人もいないのかと言えばそうではなくて、仲の良い少数のお友達とは濃いお付き合いをしていたりするものですよね。
人は人と関わることでしか生きていけません。
「どんな人付き合いが自分にとって心地よいのか?」客観的に研究することで、お客さまとの関係性作りに応用できそうですよね。
ザイアンスの法則
「ザイアンスの法則」というのがあります。
日本語にすると「単純接触頻度の法則」と言います。人は、会った回数、接触した回数が多い人のことを好きになるというものです。
恋愛の初期の頃は、毎日会ったり、電話したりしませんか? 好きな人とはいつも会いたくなりますよね。
つまり、意識して接触回数を増やすことで、その人のことを好きになりやすく、また、その人に好かれやすいというものです。
この「ザイアンスの法則」、わたしはとある体験型のセミナーで実体験しました。
グループ単位にミッションが与えられ、一緒にそれをクリアしながらゴールをめざすというものだったのですが、最後のミッションは一人ずつに与えられるのです。ミッションが全部終わって、グループメンバーとゴールで再会した時、すごく「安心感」を感じました。
ミッションを遂行するごとに、証拠として、メンバーで「写真」を撮ったのですが、写真の映り方が、最初と最後では全然違うのです。
最初は知らない者同士だったメンバーが、同じ時間を共有することで、「親しみ」を感じるようになったという、何よりの証拠ですね。
映画の宣伝。ストーリーや見どころよりも、聞きたいことは……!
「ザイアンスの法則」には、もう一つの側面があります。
単純に接触頻度を増やすだけじゃなくて、その接触時に、「人間味」が感じられる方が、より親しみを感じやすいのです。
例えば、映画の宣伝等で、俳優さんがバラエティ番組やトーク番組に出ることがありますよね。
その俳優さんは、「自分は映画の宣伝のためにこの番組に出ている、映画のをしなければ!」と思っています。つまり、彼にとって、テレビに出る目的は「映画の宣伝」です。だから、タイミングを見て、必死で映画のストーリーや見どころを紹介しようとしますが、さて、視聴者は彼が話す映画の話を聞きたいと思っているのでしょうか?
一番知りたいのは、撮影時の裏ネタや、共演者同士の交友関係や裏話。例えば「共演者の◯◯さんって、普段はどんな感じなんですか?」とか「共演者の◯◯さんとは、どんなお話をしたんですか?」とか、映画やドラマの役柄とは異なる、出演者の「素」の姿だったりしませんか?
人が人である、人間味ある側面。
その姿に、人は共感し、親しみを感じ、「あ、こういう人が出ている映画だったら、見てみようかな」と思ったりするものです。
よく、映画について「出演者じゃなくて、脚本や作品としての中身で評価してほしい」と言われたりしますが、少なくとも商業的に成功するためには、お客さまが「見てみたい!」と思うものでないと、ヒットはしません。
「売れる」というのは、そういうことなのです。
SNSの世界における、ザイアンスの法則
「ザイアンスの法則」をまとめると、人は、会ったことがある人、そしてその頻度が多い人を好きになるものです。そして、人間的側面が感じられる人をより好きになるものです。
ひっくるめて言えば、よく見かける人、そして素の姿に好感が持てる人です。
この「ザイアンスの法則」は、SNSの世界でも結構応用されています。
例えば、Facebookの投稿に対する「いいね!」やコメント、Twitterのツイートに対するリツイート。
あまりよく知らない人でも、よく「いいね!」をくれたり、リツイートしてくれる人のことって、なんとなく親しみを感じたりしませんか?
リアルの世界で、接触頻度を増やそうと思うと「会う」とか「電話で話す」といった行動が伴うので、家族や日常的に会う職場の仲間でもないと、ザイアンスの法則を活かすのはなかなか大変ですが、SNSなら簡単にできます。
もし、あなたが「この人、わたしの理想のお客さまっぽい!」とか「この人がわたしのお客さまになってくれないかな」と思える人をSNS上で見つけたら、意識して「接触頻度」を増やすといいですね。
相手の方は、「何だろう?」と思いつつ、あなたの存在が気になるはずです。
「Facebookから始まったお友達」が、一生のお友達になるかもしれませんよ。